種と歴史

種や集団populationを歴史的存在としてみるギセリンやハルの視点は、「種-が-進化する」という事態をきわめてクリアに描いている。いわば形質の類似性は何であれ種や集団の徴候にすぎないということ。そしてだからこそ、この発想がどこに由来しているのかをクリアに見渡すことができる。たとえばフーコーによる次のコメントを参照(『社会は防衛しなければならない』78f. )。

この語〔人種〕は、最終的には、たしかに大きな幅を持つとはいえ、比較的固定した、一定の歴史的・政治的な分割を指しているのです。ひとはこの言説では、次のように語るようになる。すなわち、同一の出身地を持たない二つの集団の歴史を扱う場合には、二つの「民族(=人種)」が存在しているのである、と。

The Triumph of the Darwinian Method (Dover Books on Biology, Psychology, and Medicine)

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