Rabinow,1996
- Rabinow, P., 1996, Essays on the Anthlopology of Reason, Princeton U. P.
おもに第5章と6章を読む。人間についての生物学的な知識が人間のアイデンティティにかんする既存の概念の意味を変容させ、ひいては社会的関係にかんする新しい論理的可能性を開いていくことに注意を喚起するようなエッセイ。
とくにさまざまなところで参照されている第5章("Artificiality and enlightenment")については、興味深く読んだ。「社会生物学から生物学的社会性へ」というフレーズが印象に残る。これは、遺伝学的知識をつうじての新しい社会性をかつての優生学とは区別して捉えるためのもの。なかなかのアイデアだと思うが、他方で著者自身が繰り返し注意しているような、過去との連続的側面を断ち切ってしまうような印象も残る。
Essays on the Anthropology of Reason (Princeton Studies in Culture/Power/History)
- 作者: Paul Rabinow
- 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr
- 発売日: 1996/11/25
- メディア: ハードカバー
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