Hacking 1987=1991

プロイセンの数 1860年ー1882年」。最後の部分。

個々のものの不規則性からどのようにして統計的な規則性が成立しうるのであろうか、異質的である個々人の行動から統計的に同質な集団が、どのようにして生じうるのであろうか<中略>......。エンゲルにとっては、そのことは問題ではなかった。なぜなら、集団現象は独特のもの(sui generis)であって、全体そのものの性質なのであり、原子的な諸部分から構成されているのではないからである。....<中略>...少し逆説的に聞こえるかもしれないが、国家を基本的に集団の形で考える統計においては、確率的な「集団」なるものはありえないといえそうである。

確率革命―社会認識と確率

確率革命―社会認識と確率