軽度発達障害・支援体制

文部科学省の調べによると、軽度発達障害のある児童・生徒らへの公立学校の支援体制について、小中学校における進展に比べて、幼稚園と高校では遅れているとのこと。具体的には、小中学校において支援体制を敷いている学校が全国で95%をこえている。たいして、幼稚園では33%、高校では25%だという。
なお、高校における支援体制の遅れについて、この記事は文部科学省特別支援教育課のつぎのような言葉を引用して結んでいる。「高校は入試を経ているので、多くの教員が『障害がある生徒は少ない』と考えているようだ」。
こうした判断がどのようなニュアンスを含んでいるのかは、これだけの引用だけではわからない。しかしこうした判断が、高校における状況についての教員のたんなる事実的判断にとどまるものでないことには留意すべきと思う。むしろある程度の進学校などでは、こうした障害のある学生の存在を肯定できない事情が存在するように思う(実際、こうした問題については昨年度の地元紙の投書にも寄せられていたし、発達障害にたずさわる専門家のお話からも漏れ聞いたことがある)。そしてこうした事情の背景となっているのは、受験校であるという対外的地位意識なのだろう。そしてもちろん、こうした意識には、生徒募集や受験成績、そしてそれに対する保護者や地元の判断などを念頭においたものであり、たんなるプライドに還元できるものではないように思う。