集団と個体
日曜日にある報告をし、参加者から有益なアイデアを数多くいただく。こんなに勉強になったのは久しぶり。メモを整理しながら、ひとつは集団と個体との関係が、どのように概念的に捉えられているのか(あるいは、技術的に処理されているのか)を検討する必要があると思った。
- 分布にもとづいて、集団について、個体について、あれこれ言うとする。分布の特徴は特定集団に帰属される。そして個体は<その>分布上の一片をなしている。しかし集団に帰属される特徴は個人に帰属できない。同じことは別の視点からも言える。個人がどのような属性をもつにせよ、それに先だってすでに、特定の分布特徴をもつ集団の一片に位置づけられている。
曖昧な書き方で申し訳ないが(いろいろ事情がありまして)、この辺が気になる。また、初歩的な事柄でしたら、お教えくださると幸いです。
というわけでこの問題をつめて考えるのはおいておき、現在している仕事との接点となるだろうと思われるクリフォードのとてもきれいなエッセイを、10年ぶりに翻訳にて読んでみる。
- Clifford, J., 1988, "Identity in Mashpee," in The Predicament of Culture, Harvard U. P., 277-346.(=太田好信ほか訳「マシュピーにおけるアイデンティティ」『文化の窮状』人文書院, 349-446.)
文化の窮状―二十世紀の民族誌、文学、芸術 (叢書・文化研究)
- 作者: ジェイムズ・クリフォード,太田好信,慶田勝彦,清水展,浜本満,古谷嘉章,星埜守之
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: 単行本
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