sesam(swiss etiological study of adjustment and mental health)

swissinfoホームページによると、「スイス精神衛生および環境適応に関する病院研究」プロジェクトは、成人の精神疾患と環境不適応の原因調査に向けて、30000人(およびその両親や祖父母)を対象者に妊娠初期の胎児期から20歳までの期間にわたって、遺伝的・生物学的・心理的・社会的調査をおこなうという計画を立てているらしい。
当然、倫理的観点からの反対も出ているようだ。とりわけ、胎児の時点で研究対象者とすることの倫理的是非についてだが、このプロジェクトのリーダー曰く

どのような子どもを対象にした研究でも、それを子ども自身が許可できるかどうか、などということは問題になりません。普通は、子どもに代わって両親が判断するのです。

しかし、「普通」ってどのような意味なのだろうか? 
きちんとこの人の話を読んでもいない時点でいうのもなんだけど、この人、「普通」に想定されている養育義務と混同しているように思われる。とはいえ養育と調査への承諾の問題は別問題のハズでは。もちろんこうした問題は、今後検討されるとのことだけれども、原理的な解決はできようもない。だからこの人の言う「普通」を、技術的に改変してやりくりしていくのだろう。
swissinfoホームページ
 http://www.swissinfo.org/sja/swissinfo.html?siteSect=105&sid=6035053&cKey=1124980271000 
sesamホームページ
 http://www.psycho.unibas.ch/sesam