曖昧な印象

名古屋城二の丸広場に、池田亮司インスタレーション「スペクトラ・ナゴヤ」を観にいく。
青白い大量のサーチライトが上空の彼方の焦点に向けられている。四方からは、サーチライトを囲むいくつかのスピーカーから微妙に共鳴する電子音が流されており、そのなかをちょうど光のなかを舞うホコリや蚊のような高周波のノイズがときおり横切っていく。
見る者はサーチライトの森のなかを彷徨ったり、佇んだり。あるいは距離をとって天体を見るように眺めたり、三脚をつかって映したり……。
この人のとてもドライでシャープな作品は、大量の蚊や蛾、地面のぬかるみといった当日の名古屋の環境のなかでは、これまでとは異なった少しウェットで輪郭もまた曖昧な様相を呈していました。



追記
本家あいちトリエンナーレでは、スペクトラ・ナゴヤの写真(ただし最も遠いところからの)を応募しているようです。このページには、パリでおこなわれた同趣旨のイベントの写真(Marc Domageさん撮影)が掲載されていますが(http://aichitriennale.jp/news/post-412.html)、こいつはすごい。
上記のスナップがアリの視点とすれば、かの写真はソウの視点ということになるのでしょうか。
さて名古屋ではどのような写真が撮れたのでしょうかね。